対話型鑑賞ワークショップ in 障害者支援施設(2025年8月) 参加レポート

「見て、後ろの人にも蹄がある!」細部に宿る発見と笑顔の鑑賞会

障害者支援施設で実施した、対話型鑑賞ワークショップの詳細レポートです。ご参加者の発見・感想、ワークショップ構成等を紹介します。

ワークショップ実施の流れ

本日のワークショップでは、皆さんの鋭い観察力と思いがけない発見がいくつも生まれました。

ご参加くださったのは、日頃から障がいのある方々の就労訓練や自立訓練をサポートされている職場の皆さん5名です。

今回は、大きなサイズの絵画をお持ちしましたが、画像がやや粗かったため、QRコードから携帯電話に作品を読み込んでいただいての対話型鑑賞ワークショップとなりました。

細部までじっくり観察していただき、つづいて発表となります。

皆さんが真剣に絵の中を見つめる姿は、とても印象的でした。

参加者の発見と気づき

この絵の中で、何が起きているのでしょう?」とお尋ねすると

❝家族で夕食を食べていて、おじいちゃんがパフォーマンスをしている❞❝このおじいちゃんだけ、家族じゃないみたい。

家族で占い師の家に来て、この人に占いをしてもらっているんじゃない?❞

どこからそう思いましたか?

❝この占い師は、人間じゃないから。ほら、足が獣だもの❞

そんなやり取りの中から、日頃の皆さんの職場の、和やかな雰囲気が伝わってきます。

意見交換に慣れてくると、視線は絵の細部にも向けられるようになりました。

❝あの真ん中の男の子、こっち観てますよね。めっちゃ目が合うんですけど~。この絵を見てる私たちも、もしかして絵の中に参加してるってこと?❞

❝おおお、するどいねー!❞

❝後ろの帽子かぶってる女の人の足も蹄(ひづめ)だよ~!❞

❝うわぁ~ほんとだ~!❞和やかな雰囲気の中、次々と自由な発想が飛び出します。

やがて、
❝ここは、洞窟じゃない?❞❝納屋だと思うよ、だって足元に藁(わら)が落ちてるもん❞という鋭い意見も。

❝お~!なるほど~(笑)❞皆さんの観察力の確かさに感心させられました。

簡単な作品解説のあと、「見方や考えは変わりましたか? 何か新しい発見はありましたか?」とお尋ねすると、

❝ここにいるのは、全員が家族なんだよ、。それで、今日はおかしな人間に合ったよ~、という話をしてるんだと思う❞と、顔を見合わせて納得されたようでした。

和やかな話の終わり方に、柔らかくあたたかな雰囲気と、心地よさを感じました。

本日の対話型鑑賞ワークショップ まとめ

ワークショップ後に、皆様にアンケートでご感想をいただきました。

ひとつひとつのご感想に、皆様の思いや学びが映し出されており、読ませていただき、私も新しい発見となり、今後の活動を続けていくうえでの大きな励みとなりました。

ひとつの考え方では終わらないことは、支援では大切なことなので、絵画を通して今以上に観察眼を養っていければと思いました。

他者の意見を聞くことによって、自分の考え方が変わっていくことを実感しました

仕事中以外で、自分の考えを発信する場があまりないので、コミュニケーションの中で、より自分の考えを伝えることが出来たと思いました。

本日、ワークショップをご受講いただいた皆様に、心より感謝を申し上げます。

施設の詳しい情報は、以下のリンクページよりご覧ください。

障害者就労支援施設ami | 社会福祉法人トゥムヌイ福祉会

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