美術の先生が作った作品展2025― 生徒のまなざし&先生の想い ―

作品と感想が響き合う、あたたかな空間

多くの皆様、「美術の先生が作った作品展」にご来場いただき、誠にありがとうございました。

さまざまな学校から集まり、夏休みの課題に取り組んだ大勢の生徒さんたち、本当にお疲れさまでした。

そして、足を運び、作品をご覧くださった皆様にも、心より感謝申し上げます。

会場では、中学生の皆さんが課題シートを手に、熱心に作品を鑑賞していました。

そのシートに綴られた感想を読むひとときは、作者である私達には何よりも心躍る瞬間です。

皆さんが自由な感性で書き残してくれた言葉は、どれも宝物のように感じられます。

❝第一印象は一匹の魚だったけど、近づいてみると魚の群れのようにも感じ取れた。あお、緑、白、水色と色を変えることで、作者は魚の動きを表現したんじゃないかな❞

❝床にしずくが垂れた時に出来るようなもの、上には川の表面を表しているようなものがあり、雨の日の雲みたいだと思った。見ていてすごく安心する作品だと思った❞

雪や雨に見える。ガラスみたいで透明。キレイ。もろそうではかない。水色と白の色の相性が好きだと思った。涼しい感じ❞

雪が降ってきて水になり、どこかへ消えてゆくというものが感じられタイトルの意味がよく分かった❞

❝最初は大きかった岩が水の流れなどで浸食されて、最後は砂になって消えていく様子を表したんだと思いました。また、最初は川だから緑で表現されていてどんどんきれいな青い海にたどり着いている様子が伝わりました❞

空中を優雅に舞っている風のように思った。下にある白くて透明なのが水がはねた時のやつに見えてきれいだった❞

❝正面から見ると、マンタのようなものや魚がゆらゆら泳いでいるように見え、材料でレジンに着色しているのも海の中を表現しているように感じました❞

❝去年と同じ透明感のある作品でとっても清らかで深く感じました。左につれて高く小さくなるのが、水が流れているように思ったけど、タイトルで何がと書かれていなかったので、人の思いとかに感じた。❞

❝浮いている物体は、漂流したものだと考えた。なぜなら、氷は流れ、いつか消えてしまうから。また、今は世界が地球温暖化に悩まされているからそのことを表しているのかもしれないと思った❞

❝この作品を見て感じたことは、たまには自分の身を流れに任せてもいいんだよと言ってる気がしました❞

生徒の皆さんの、思いがけない多彩な視点や感性に、改めて感心しました。

教師をやっていて楽しいのが、ほんと、この瞬間なんですよね。

ひとつひとつの言葉が、作品を豊かに表現してくれたように思います。

この展示会は、作品と鑑賞者、そして作者の心が静かに響き合う、かけがえのない時間でした。

皆様からいただいた感想は、私も、皆さんの学校の先生方も同じように、これからの創作や授業の力強い原動力となります!

また来年、皆様とこのあたたかな空間でお会いできる日を、心より楽しみにしております。

「どうやって作っているのですか?」と、何人かの方からお問い合わせいただきました。

私のレジンアートは、紫外線で硬化する透明な樹脂を用いた創作です。

今年の作品では、ブルーやグリーンの着色剤を使って色彩に濃淡を加え、くしゃくしゃにしたアルミホイルの上にレジンを薄く塗り、硬化させた後にホイルを剥がすことで、光をきらきらと反射させる独特の輝きを表現しました。

アルミホイルは自在に形を変えられるため、流れるような動きや躍動感を生み出すことができます。さらに、レジンを薄く塗ることで、まるで消えていくような繊細で儚い印象も生まれます。

レジンアートの魅力は、その自由度の高さ、そして手軽に扱える点にあります。

「こんな表現もできる」「こんな工夫も面白い」と、試行錯誤しながら創作に向き合う時間は、時が過ぎるのを忘れて熱中してしまう楽しさに満ちています。

大きな作品でなくても、レジンの表現の世界は限りなく広がっています。小さな作品であっても、気軽に始められるのが、レジンならではの魅力です。

「自分だけのオリジナルを形にし、心地よい時間の中で創作を楽しむ」

それは、何ものにも代えがたい、特別な体験です。

たまざわふみえ

また、別の記事で「材料のそろえ方」や「詳しい作り方」をアップロードしますので、お楽しみに!

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