
はじめまして、玉澤富美枝(たまざわふみえ)です。
私がファシリテーター(講師)を務める、対話型鑑賞のワークショップについてご紹介させて頂きます。
その前に、少し自己紹介をさせていただきますね。
今から8年前、私は、ご縁あって高校の美術科で非常勤教員として勤めることになりました。
ちょうどその頃、2人の息子のうち、次男が高校を卒業するタイミングでもありました。
わが子の就学期間がひと段落したのと入れ替わるように、私の教員としての新たな歩みが始まりました。そこから七年間、私は「美術の先生」としての日々を過ごすことになります。
もともと勉強は嫌いではありませんでしたし、ましてや専門分野である美術に関する学びは、格別の楽しみでもありました。
教材研究や美術史の学びに熱中する中でも、とりわけ西洋美術史の奥深さには魅了され、知れば知るほどその世界に引き込まれていきました。
画家たちの人生をたどるたびに新たな興味が生まれ、調べるほどに、美術の世界へ深く潜っていくような感覚に包まれるのです。
そうした学びは私にとって至福の時間ではありますが、それでも、絵画というものは、決して知識というフィルターを通して鑑賞すべきものではないと感じています。
ただひとり、自分の心に素直に向き合いながら感じる、それだけで十分なのです。
絵画を鑑賞する時間は、私にとって、負の感情からそっと解き放たれ、自分自身の内面に向き合うひとときでもあります。
とりわけ美術館での鑑賞は、絵の中に引き込まれ、自分の存在がふっと消えていくような、不思議で心地よい感覚すら覚えることがあります。
この美術鑑賞のよろこびを、もっと多くの人と共有したいと思って始めたのが「対話型鑑賞ワークショップ」です。